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[検索エンジンで飛んで来た方へ]このコーナーはアニメ「セーラームーンS」のファンページに過ぎません。セーラームーンS以外の分野の参考文献としては全く役立ちません。閲覧するだけ、時間の無駄です。
アニメS編以降の背景考察2『法・一般常識とはるか&みちる』
2−4.「海外でライセンスを取ったんだ」は嘘だった
[メモ記載日:2002年3月20,25日  レポート作成日:2005年1月29日  最終修正日:2005年2月1日]


 アニメ第96話 「冷酷なウラヌス?まことのピンチ」(S)放送当時、はるかは高校1年生であった。1/27という比較的遅い誕生日であることから、あのときはまだ15歳であったと推察できる。あの放送話においては、はるかがまことをドライブに連れ出すシーンがあった。そこでまことに「高校生なのに、車を運転していいんですか?」と質問されて、「海外でライセンスを取ったんだ」とはるかは答えた。たしかにアニメの中では、車の他にバイク(中型以上)やヘリコプターを乗り回していたにも関わらず、警官に呼びとめられるシーンはなかった。やはりはるかの言う通り、海外でライセンスを取れば可能なのだろうか。早速検証を行ってみたい。

[普通自動車免許の取得可能年齢]
国名 運転免許事情
アメリカ  16歳から取得可能。(州によって異なる)で、病気で通学が困難な学生などには15歳から取得が許される場合もある。留学生や外国人の場合でも、3ヶ月以上滞在すれば受験資格が得られる。筆記試験やその他諸々の手続きは全てDMV(Department of Motor and Vehicle)というオフィスで行う。筆記試験は日本語で良い場合もある。合格すれば即日で仮免発行、路上練習が許されるようになる。仮免許の有効期限は2ヶ月。

早速、路上練習開始。日本のように自動車学校に通うのではなく、普通の行動で周囲の大人に運転を教えてもらう。使う車も教習車ではなく、普通の自家用車でOK.

本試験(実技)受験可能回数は3回。実技試験で使う車は、自分の車(AT車)でOK。試験内容自体もさほど難しくない。合格すれば運転免許の発行を行ってもらえる。発行に際しては、有効なビザが入ったパスポートと手数料、学生の場合はI-20が必要となる。本免の有効期限は5年。5年毎に更新手続きを行う。

総じて、日本に比べればずっと取得が簡単。それは「基本的な運転操作がマスターできたら、後は自己責任のもとに運転させれば良い」という放任的な運転免許制度に基づいているためである。ただし未成年者には学科試験を課すなどの配慮を行っている。(情報協力:いちみの姉)

 もしはるかがアメリカで15歳で仮免許を取得して、16歳で本免を取ってすぐ日本に来たとしても、アニメ96話には間に合わない(∵96話ではまだ15歳だから)。たとえ15歳で仮免許をとってすぐ日本に帰国しても、本免ならまだしも、外国の仮免許が日本で有効になるのだろうか。アメリカ国内で運転する場合でも、運転免許を持つ補助者の同伴が必要である。S編の舞台は日本であった。そして同伴していたみちるもまことも、“運転免許を持つ補助者”にはなり得ない。だからはるかがアメリカで車の免許を取得して、その後アニメ96話で日本で車を運転していたという可能性はとても低い。
カナダ  16歳から取得可能。免許を取るまでのまでの流れも、アメリカとほぼ同様。アメリカと同様の理由で、はるかがこの国で免許を取得した可能性は低い。
イギリス  17歳から取得可能。障害者は16歳から取得可能(∵移動手段としての重要性を考えて)。免許を取るまでのまでの流れも、アメリカとほぼ同様。アメリカと同様の理由で、はるかがこの国で免許を取得した可能性は低い。
ニュージーランド  15歳から取得可能(州によって異なる)。そのため高校に車でする生徒もいて、学校には生徒専用の駐車場が設けてある。 ただ、ニュージーランドの運転免許のまま、日本国内で車を運転することは出来るのかという疑問が生じてしまう。海外事情に詳しい彩歌さんによれば、「可能である」とのこと。彩歌さんはご自身の体験に基づいて、以下のように述べられた。
 
「私の日本の免許証はフランスでフランス免許に切り替えるときに提出させられて、戻ってきません。フランス免許証(ただし法定日本語翻訳付き)を携帯していれば現行の日本の道交法上、運転可能ではあります」(2005年1月30日分掲示板投稿より. 掲載許可済み)
 もちろん長期で日本滞在する場合には、国際運転免許を取得するか、外国免許の日本免許への切替えを行ったほうが後々都合が良いだろう。アニメS編の放映期間は、一年間であった。そうすると中学卒業前にニュージランドあたりで免許を取得して、帰国後に切替手続き(=外免切替※)をしたのだろうか。仮免までなら、14歳でも取得可能である。あるいは国際運転免許証(有効期限:1年※※)を取得して日本でタリスマン探しを始めたのだろうか。
 しかしここで大きな問題が生じる。外免切替の手続き可能年齢は、その国の免許取得可能年齢に準じるからだ。たとえニュージーランドで15歳で免許取得したとしても、日本では18歳以上にならないとその免許は切替えできない。免許切替えできないことには、日本にいても車を運転できない。つまり「海外でライセンスを取ったんだ」という弁明は、どの国で考えても免許切替の時点で矛盾が生じてしまうということ。だからあの時はるかは、ちょっと困ったような顔をして、声を詰まらせたのだろうか。

※外国で取得した自動車運転免許を、日本で使えるように免許切替手続きをする時の条件
1.
日本での免許の受験年齢に達していること(=18歳以上であること)
2.外国免許取得後、その国に通算3カ月以上滞在していること。すなわち日本で外免切替をするまでの間に、免許取得国で3ヶ月以上滞在していればOK。
3.外国免許の有効期限がまだ有効であること。

※※国際運転免許証の有効条件
 日本でこの免許が有効になるのは、日本上陸後一年間。つまり日本に一年以上滞在している外国人が国際運転免許証を所持していても、それは無効である。そうするとアニメS編が始まる直前に日本に来て国際運転免許証を取得しなければ、96話(1994年05月14日放送)で車を運転できないし、126話「新しき命!運命の星々 別離の時」(1995年2月18日放送)まで免許を有効にし続けることは出来ない。ただここで、根本的な疑問が生じる。国際運転免許証は、運転免許を持つ外国人が自国以外で運転するために発行されるもの。そもそもはるかは、外国人なのだろうか。名前や容貌・日本語の流暢さ・生活知識・日本での知名度から見ても、日本人である可能性の方が高い。もしそうならば日本人が日本国内で車を運転するために、国際運転免許証を取得するのは可笑しな話だ。この点に関しては、海外事情に詳しい彩歌さんから次のようなご意見をいただいた。

 「フランス在住時の私が一時帰国の際に日本で運転するとしたら、フランス国発行の国際免許証を取得して日本国内で運転するほうが普通です。フランス免許証から日本免許証への再切り替え、日本免許証の再交付、フランス免許証の法定日本語翻訳取得、これらは全て日本国内でしか手続きができないからです。たとえば成田到着後にレンタカーで都心に出るには間に合いません。」(2005年1月30日分掲示板投稿より. 掲載許可済み)

 なお国際免許取得に年齢制限はないが、ないと言ってもそれは別の国の免許証を持っていることが前提となる。これまで見てきた中ではニュージランドの運転免許証を持っている可能性が一番高そうだ。しかし日本国内での国際免許の有効条件は、日本の運転免許に準じることを忘れてはならない。つまり日本の法律が定める運転可能年齢(18歳)に達していなければ、日本で運転するための国際運転免許を取得できないの可能性があるということ。
 総じて日本で車を運転するには、18歳以上でなければ色々と問題が多い。外免切替の場合と同じく、15歳という年齢ではやはり無理なようだ。
ドイツ  18歳から取得可能。はるかがこの国で免許を取得した可能性はゼロに近い。
日本  18歳から取得可能。

[自動二輪の免許取得年齢]
国名 運転免許事情
米国  免許取得可能年齢は18歳が一つの基点だが、18歳以下でも条件付で免許取得可能。日本のような普通二輪・大型二輪という免許区別はなく、「自動二輪免許」を取得すれば大型バイクも中型バイクも運転できる(昔は日本もそうだった)。
ドイツ  18歳から取得可能。小型は16歳からOK。その他欧州でも16歳から取得可能。
日本  16歳から取得可能。大型二輪は18歳から取得可能。

 アニメ92話「素敵な美少年?天王はるかの秘密」((S),1994年4月16日放送)にて、「いくぜ、みちる!」「よくってよ、はるか。」とバイク二人乗りをしていたのは15歳春頃のこと。翌年初春の16歳誕生日免許申請前に『ヘルメット未着用』『速度違反』『道路以外の走行』『二人乗り(取得後一年未満は不可)』という四つの交通違反を犯していることが画面上から確認できる。どう考えても、これでは違反キップを切られてしまうはずである。

[小型機(ヘリコプター)操縦の免許]
国名 運転免許事情
米国  15歳以前で操縦訓練開始。16歳で、講習期間中ながらも単独飛行が可能に。17歳で免許取得可能。つまり米国ではるかが小型機操縦免許をとっていては、アニメ110話に間に合わない。
日本  17歳で免許取得可能。日本で免許を取っていても、アニメ110話に間に合わない。

 アニメ110話「ウラヌス達の死?タリスマン出現」(S)では2人ともまだ15〜16歳であったことを考えると、決戦場マリンカテドラルへのあのヘリコプター飛行は、無免許運転であった可能性が高い。

[一般公道とサーキットの違い]
 ここまで話を進めてくると、「それなら、“僕は日本初のジュニアーレーサー天王はるかさ”という106話過去シーンでの発言も嘘だったのか?」という疑問が生じる。しかしそれは違う。まず一般公道とサーキットは全く別物であることを理解しなければならない。一般公道ではスピードを出しすぎると捕まるが、サーキットやその他レースコースは、スピードをバンバン出してタイムを競うために作られた道路である。だから一般公道とサーキットを走るには、それぞれ別の免許が必要となる。そのため一般公道で免停中の職業レーサーでも、サーキット場では運転可能な場合がある。たとえばF1レーサーのラルフ・シューマッハはかつて一般公道でスピード違反になって運転免許を停止されたが、免停期間中にレースに参加していた。公道では免停になっても、サーキットを走る資格(F1のスーパーライセンス(出場資格)等)までは停止されていなかったからである。
 次にレーサーとしてのライセンスの取得年齢制限について。アニメではるかが実際にレース参加していたモトクロスレースを例にとって、以下考えてゆく。国内の二輪レース関連のライセンスを規定しているのは、MCFAJ(全日本モーターサイクルクラブ連盟)。規定によれば、モトクロストライアルのジュニアライセンスの取得可能年齢は9歳〜15歳、国内B級ライセンスは16歳からとなっている。しかし16歳以下でも、地方選手権や関東選手権でポイントを重ねて、その地区の昇格ポイントの基準を満たせば、国内B級のライセンスを取得する事は可能となる。国内B級ライセンスを取得すれば、上級ライセンス(国内A級→国際B級→国際A級)への昇格も可能となる。国際A級ライセンス所持者の最低年齢は、125ccクラス:15歳、250cc:16歳。いずれも大会予選日に誕生日を迎えている事が条件となる。性別による取得制限はない。
 アニメ第94話「純な心を守れ!敵味方三つ巴乱戦」(1994年4月30日)で国内モトクロスレースに参戦していた時のはるかの年齢は15歳。そうすると「日本初のジュニアレーサー」という肩書きも、あながち嘘ではない。

  ただ、一つだけ、これらの運転免許問題を根本から解決してしまう方法がある。それははるかの年齢を15歳ではなく18歳とみる方法だ。アニメ92話で本人の口から「高校1年生」という身分は明らかにされたが、年齢までは明らかにされていない。すなわち「15歳」「生年月日は19××年1月27日」とまでは言っていない。高校入学年齢は、下限は決められていても、上限は決められていないことが多い。たとえば有名私立高校・私立中学に浪人して入学したという話を聞いたことはないだろうか。また在学中に海外留学しても、学年はダブってしまう。たとえば高校一年の夏に米国留学して、翌春に帰国したとする。そうすると進級用件単位には達していないから、もう一年高校1年生をやらなければいけない。付随事項として、はるかは何故あんなに大人びているのだろうか。それは「既に大人だから(or 大人に近い年齢だから)」とも考えることができる。また「海外でライセンスを取ったんだ」がもし本当だとすると、はるかは帰国子女である可能性が出てきて、そのために学年がダブっていることも考えられる。これについては、掲示板にて彩歌さんがわかりやすく説明なさっているので、該当記事を以下に転載する。
[参考:彩歌さんによる“はるか16歳説”]
 「海外帰国子女の場合、日本での学年度は4月始まり、欧米での学年度が9月始まりであること、語学補習クラスの必要性、などの関係で、結果的に学年が1年遅れてしまうことがあります。つまり、「実は16歳」の可能性はありえます。」(2005年1月30日分掲示板投稿より. 掲載許可済み)」

 しかしそんな風に「はるかは実は15歳ではなかった。」と考えてしまうと、何だか興ざめする思いがするし、「日本初のジュニアレーサー」という肩書きも少し弱くなってしまうように感じられる。やはりアニメゆえに、非現実的な設定が使われたのだと解釈するのが、一番自然な方法だろう。□

協力:彩歌さま / いちみ姉さま / 海棠 楸さま
※海外事情、モータースポーツライセンス等に詳しい方のご意見・ご感想をお待ちしています。


[参考文献]
・「外免切替への道」
http://www.geocities.co.jp/MotorCity-Race/9115/
・MFJ(財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会)
http://www.mfj.or.jp/
・MCFAJ(全日本モーターサイクルクラブ連盟)
http://www.mcfaj.org/
・JAF(社団法人日本自動車連盟)
http://www.jaf.or.jp/msports/index.htm
・「国際免許」
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/8739/information/license.html
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