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アニメS編以降の背景考察4『固有名称・専門用語とはるか&みちる』
4−3.[文系用]海風(Sea breeze)について[メモ日:2004年7月26日  メモからの転載日:-(作成中)]

海陸風(Land and sea breeze)
 海岸地方などで、日中に海から陸に向かって吹く風を海風、夜間に陸から海に向かって吹く風を陸風という。陸地と海面の温度差によって起こる。また,朝と夕方にはそれぞれ風向が変わる無風状態のときがあり、これを凪(なぎ)という。朝方に陸風から海風に変わる際の無風状態を朝凪、夕方に海風から陸風に変わる際の無風状態を夕凪という。

・海陸風の原理
 陸地と海洋とでは海洋のほうが熱容量が大きいため、陸地は海面に比べると、暖まりやすく冷めやすい。日中には、太陽放射によって陸地のほうが海面よりも早く暖まって温度が高くなる。夜間は放射冷却によって陸地のほうが海面よりも早く冷えて温度が低くなる。これによって気圧差が生じる。
 日中は陸地の空気が暖められて上昇し、それを補うために海から空気が移動する。逆に夜間は、陸地の風が冷やされて下降し、海に流れ出す。これが海風と陸風の原理である。なお海陸風と同様の現象は、大きな湖の湖岸でも起こる。その場合は湖陸風と呼ばれる。

図1 海陸風循環の模式図.(a)昼間における海風. (b)夜間における陸風.
(引用『はじめての気象予報士試験』新田尚監修.土屋喬/岩下晴彦共著(オーム社)

・海陸風の強さ
 海風と陸風の強さは、風速3〜7 m/s 程度で、若干海風のほうが強い傾向にある。具体的には、海風の厚さは200〜1000 m、風速は5〜6 m/s、上空では陸から海に向かう風(反流)が吹いている。海風は海岸から20〜50 km も内陸に進入し、進入する海風の先端では気温や風の不連続が観測されることがある。これを海風前線と呼ぶ。一方、陸風は海風ほど明瞭ではなく、その厚さは約100 m、風速は2〜3 mといわれている。
 このように海風と陸風は共に、通常の風に比べてあまり強くない。そのため温帯低気圧や台風の接近などにより風(※)が強い日は、ほとんど観測されない(=卓越しない)。また海面水温が陸地に比較して常に高い冬には海陸風は起こらない。

風とは何か?
(答)一言で言えば、空気の移動。対流圏内の大気(※2)は対流運動をしているが、このとき地表面に対して水平方向の空気の移動をと呼ぶ。また地表面に対して鉛直方向の移動は上昇気流または下降気流という。

図2 空気塊の移動方向による名称の違い
(引用:『まるごと覚える 気象予報士試験 ポイントレッスン』新星出版社編集部(新星出版社))

※2 大気と海洋の関係
 大気と海洋は関係が深い。大気より海洋は熱を蓄える能力が高いため、海の暖流や寒流の流れが変化すると周辺の気温や天気に大きく影響する。海洋から大気に与えられた熱量は大気の運動に影響する。
 逆に大気の運動(風)は海流に影響を与える。そして気流と海流はともに流体の運動の法則に従うので、たとえば海の中にもジェット気流に相当する流れがあるなど共通点が多い。異常気象の大きな原因になるエルニーニョやラニーニャ(※3)も、大気と海洋の相互作用の例である。

※3 エルニーニョ現象
 数年に一度、赤道太平洋東部のかなり広い範囲で海面水温が上昇する現象を、エルニーニョ現象という。エルニーニョ現象が起こる年には、3月頃から海面温度が上昇を始め、その年の12月から翌年1月のピーク時には最大で2〜5℃前後もの海面温度上昇が見られる。
 またエルニーニョとは正反対に、赤道太平洋東部の海面水温が異常に低くなる現象をラニーニャ現象という。
[発生機構]
 エルニーニョ現象およびラニーニャ現象の発生は、赤道付近の太平洋の大気と海の状態による。平常時は、赤道上で日射によって暖められた海水は、東から貿易風によって太平洋西部に移動し、暖かい海水の層を厚く形成していく。対流による上昇気流は西部太平洋とインドネシア付近にかたまって発生し、赤道付近の中部・東部ではほとんど降水がない。
 ところが、東からの貿易風が弱まると、太平洋西部に厚く溜まっていた暖かい海水が、中部・東部太平洋に移動する。これがエルニーニョ現象である。
 対流による上昇気流は中部太平洋に移動し、普段は雨の降らない地方にも多雨をもたらしたり、逆に多雨地方に干ばつをもたらしたりする。ラニーニャは、エルニーニョとは反対に東からの貿易風が弱まると起こる現象である。

・山風と谷風
 山岳地方やその付近などでは、日中に平地や谷間から山の斜面や山頂に向かって吹く風を谷風、夜間に山の斜面や山頂から平地に向かって吹く風を山風という。

・山谷風の原理
 山谷風は海陸風と基本的に同じ原理をもつ。山の斜面や山頂は、谷間や平地に比べて昼間は太陽熱を受けやすく、夜は放射によって冷えやすい性質がある。
 山の斜面や山頂では、昼間は高度が高いため大気による放射の減衰が少ない、日照時間が長いなどの理由から、温度が上がって上昇気流が発生し、それを補うために平地や谷間などから空気が移動する。これを谷風と呼ぶ。
 夜間は、その表面積の関係から、放射によって大気の温度が平地や谷間よりも大きく下がる。そして冷たく重い空気が山の斜面や山頂から平地や谷間に向かって移動する。これを山風と呼ぶ。


『簡明 地球科学ハンドブック』力武常次著(聖文社)2001
『まるごと覚える 気象予報士試験 ポイントレッスン』新星出版社編集部(新星出版社)2004
『はじめての気象予報士試験』新田尚監修.土屋喬/岩下晴彦共著(オーム社)1998
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