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My Foolish Heart
初稿掲載日:2008年4月23日 / 最終修正日:2008年9月2日 / 現代編付加設定まとめ / 作者: daydreamer

 恋の病は、神様でも治せない。私はその病気にかかってしまっているようだ。
 もう長いこと、ずっと…。

 天王はるかという人物。私は、興味本位で彼女に近づいたわけではない。あの人がセーラー戦士だと気づくずっと前から、強く惹きつけられていた。何らかの力によって。この…気持ち。家族にも友人にも抱いたことのないこの気持ち。あの人を守るためならば、私は何だって出来る。それが、私がセーラー戦士として覚醒した理由だった。



 あのとき…。あのとき、私は海辺にいた。そう、いつも通り、あの人を追いかけて。“早朝の海辺で見られる朝焼けを、絵のインスピレーションに使いたいから”と、じいに無理を言って、運転手を呼び出してもらって。あの人がいつも行くお気に入りの場所は、既に把握済み。今日行けば、確実に会える気がしていた。予想通りの展開。もちろん、あの人は、私の存在に気づいてはいなかったけれど。ただ朝からバイクでソロリングして、その場所で…。凪いだ海を一望できるその場所で、気持ち良さそうに風に当たっていた。寒いだろうに、そんなことを感じさせないほど自然に風に当たっていた。私はそれを車の中から、遠巻きに見つめていた。朝焼けよりも、綺麗なものが、そこにはあった。“絵のモデルになってくださらないかしら”と以前陸上競技場で頼んだのは、そんなことがあったからだ。静物画でも人物画でも、心を強く打つものを私は描きたかった。持ってきたスケッチブックに、風の中にいるあの人の姿をスケッチする。薄青色の衣を着て、目を瞑り、光を感じて、空へと飛び立っていく姿。タイトルは『光の中へ…』。とにかくあの時のあの人は、風そのものような感じで、格好良かった。ただ、出来ればモデルの許可を得てから描きたかったのだけれども。
 暖房の効いた車内から、あの人が座っている砂浜を見る。スケッチは程なく終わった。でも、まだこれは未完成。ちゃんとしたものは、モデルの許可を取ってから描きたかった。名残惜しかったけれど、今日はお稽古事が立て込んでいる日。長居は出来ないし、休息が必要だった。寝不足の状態でお茶やお華の先生とお会いするわけにはいかない。帰ろうかなと思って、じいに向かって口を開く。

 そうすると。突然、何の前触れもなく幻視が走った。以前“あの絵”に描いた破滅のヴィジョンが鮮明に脳裏に映し出された。海王造船製の豪華客船“ネプチューン”に飾らせてもらった絵。船上パーティーに招かれた天王はるかさんが、一時ばかり見入っていた絵だ。私は思わず口に手を当てた。何かが起こる予感がした。私はじいを説得して、車外へ…早春の寒空に降り立つことを決めた。“お風邪を召されますよ”“お供します”とうるさい言葉を振り切って。

 車を降りると、私は急いで、あの人が出来るだけ良く見える場所に移動した。岬の先の方へ。潮風が冷たい。海が時化っている。吐く息は白い。極度の寒がりだけど、今はそんなこと言っていられない。気ばかりが急いた。
 と、あるポイントで、人影を見つけた。無限学園の女子制服を着ている。私と同じように、あの人を追いかけているフリークの女の子のようだった。こんなに寒い日の朝早くから…。私と同じように、あの人を追いかける人がいるものなんだ。やっぱり“競争率”は伊達じゃない。もちろんあの人は、その女の子の存在に気づいてはいなかったけれど。安心すると、ふっと笑いがこみ上げてきた。その子に声をかけようと、私は歩み寄った。その子は私の存在に気づいて、ぎこちない動作で振り向いた。胸を押さえて、なぜか苦しそうに呻いている。私は訝しく思って、駆け足でその子に近づいた。そしてその子の顔をみて、何か思い当たって、足を止めた。その子の顔に、見覚えあるような気がしたから。そう、昨夜見た夢と全く同じ光景がそこには広がっていたのだ。海辺と、岬と、バイクと、あの人と、女の子と。…怪物と。朧気だった宵の記憶が鮮明になる。
 そして。数秒後、目を疑うような光景が広がった。その女の子が蹲ったかと思うと、背中からどす黒い羽根のようなものが生えて、身体を包み込んだ。そして本当に、いきなり怪物に化けたのだった。昨夜の夢で見たとおりの光景。時が来たのだった。戦士として覚醒する時が。怪物は、容赦なく私を襲ってきた。私は寸でのところで、怪物の攻撃をかわした。二回目の攻撃もすぐに始まった。大声で叫べばじいが助けにきてくれることは確実だったが、私はそれをしなかった。じいにどうにか出来るレベルの問題とは思えなかった。岬の先に追い詰められた私は、逃げ場を失った。怪物が唸り声をあげて、私を襲ってきた。

 そのときまた幻視が走り、時が一瞬止まったように感じられた。私によく似た顔立ちの、でもずっと高貴で、憂いに満ちた表情の戦士が現れた。

“ネプチューン…。”

 私は心の中で呟いた。白昼夢の中の人は、唇を動かさずに、意志だけをこちらに送ってきた。

―――私の生まれ変わりよ。時が来たわ。あの人に危険が迫っている。もうこれ以上、“決定”を引き伸ばしには出来ない。あの人と共に在る覚悟をなさい。…あの人を、守り抜きなさい…。あの人を束縛する全てから…。

 私はその言葉に素直に従った。従わざるを得なかった。戦士の幻影はすぐに消えて、私の前にはまばゆい光が現れた。そしてその中から、セーラーネプチューンの変身スティックが出現した。私はそのスティックを手に取ることを躊躇わなかった。それが何に使われる道具なのかは、本能的に知っていた。いいえ…正確に言えば、最近頻繁に見るようになった白昼夢や、夜毎に見る夢の内容から、大体の予想はついていた。それを手にすれば、全てが変わってしまうことも。

 異形の生物の出現に恐怖に駆られながらも、私は決し大声をあげなかった。“決して気づかれてはいけない、自分一人で処理しなければいけない問題だ”と強く思った。あの人を守るためにも、事を大きくするわけにはいかない。必殺技の名前が自然と頭に浮かぶ。先ほどまで時化っていた海は、私の力に呼応しているかのように、一段とひどい大時化の装いを呈して、鈍色に光っていた。海は、良からぬ元凶をキャッチするだけでなく、私の心も反映するようだ。
 夢中だった。何もかもが、初めてで。頭の中に、プラネット風の球体エネルギーをイメージした。両手を天にかざして、エネルギー球を膨らませて、右手にそれを乗せて。それを迷いなく怪物めがけて投げつけた。

「ディープ・サブマージ!」

 そして、事なきを得た。怪物は元の人間の姿に戻った。私は彼女に駆け寄って、抱き起こした。その人は死んではいなかったが、気を失っていた。呼吸はしている。目立った外傷は負っていない。直に回復すると思えた。着衣に目をやる。無限学園の校章…「★」の中に「∞」が不気味に思えた。“無限の可能性を求めて”、何をしでかそうというのか。その時の私は、その一年半後に自分がその学校の制服に腕を通すことになるとは思ってもみなかったけれど。私はその人を岸壁に横たえて、立ち上がった。あの人の無事を確認したかった。
 あの人がいた場所を探す。バイクはもうそこにはなかった。それでも私は良いと思った。あの人を守れたのだから。張り詰めた緊張の糸を解くと、自然と変身も解けた。海の方をみると、先ほどとは打って変わって凪いでいた。私の心は落ち着きを取り戻し始めていた。けれど。戦闘中の爆音を聞き付けたのか、じいが私の名前を必死に叫びながら、こちらに走ってくる。私は何でもなかったかのように、意識的に笑顔を作って、じいが来る方向に向かって歩き始めた。



 あの人を守るためならば、この手は汚れても良い。普通の生活に戻れなくなっても良い。後悔なんて、これっぽっちもなかったといえば、嘘になるけれど。私にだって一応夢が…。ヴァイオリニストになるという夢があったのだから。

 その夢を捨ててまで、私はあの人との“現在いま”を取った。未来なんて、どこにも保障されていない。私は、あの人の傍にいられるだけで良かった。それ以上は望まない。それ以上望むのは、贅沢というものだ。それまでは、手さえ…。声さえ届かない存在だったのだから。いつも遠巻きに、あの人を見つめることしか出来なかったのだ。
 海だけが、私の想いを知っていた。



 サーキット裏倉庫での出来事以来。都立中学に通う天王はるかさんとは、タリスマン探しのためにほぼ毎日会えるようになった。戦士という道を共に歩むおかげで。私の胸の奥に広がる黒い海は、あの人が運んでくる金色の風によって、静かに凪いでいた。本来の穏やかなマリンブルーの色を、一時ばかりでも取り戻したかのように。

 天王はるかさん。あなたは私のことを、どう思っているのかしら。戦士としての宿命に無理矢理引きずり込んだ悪魔のように思っているのかしら。それとも、一時だけでも私をワーク・パートナーとして認めてくれているのかしら。あの一件以来、随分と態度は軟化しているけれど。本当の意味で、私を受け入れてくれたとはまだ言い難い。私の心は醜い。きっと戸惑っているはずだし、いっぱい無理をしているはずだ。

 でも。サーキット裏の倉庫で見せてくれた、あの強い決意の表情。“一度でいいから、あなたの車で海辺を走ってみたかったな。”と思わず本音をこぼしたときの、はっとした表情。あのときあなたは、私と同じ戦士の十字架を背負う決心をしてくれた。そして、私の真意に気づいてくれた。そんな気がした。いいえ…それは私の都合の良い解釈なのかしら…。
 私は、あの人が“その人”だと気づいて嬉しかった。飛び上がるほど嬉しかった。けれどそのすぐ後で、愕然として、言いようのない罪悪感に苛まれた。あの人を覚醒させることが、私に与えられた最初の使命だったから。私はそれを全く望んでいなかったし、わが身を呪いたくもなった。
 いずれにしてもあの人は、あのとき、あの場所で、セーラーウラヌスの変身スティックを手にしてしまった。私のせいで…。あのとき私が、もう少し早くあの人を助けてあげれば…。あの人を、私と同じ道に引き込むことはなかったのに。

 でも。あのとき、心の中の何かが、私の行動を鈍らせた。ただその場で成り行きを見守らせた。そして何かが、頭の中で勝手に喋ったのだ。

―――ウラヌス…。もう、待てない…。これ以上私を、独りにしないで…。
――――私はここにいるのよ。思い出して…。そう、それを手にして…。

 ネプチューン…。私の行動や思考を、事ある毎に誤らせたのは、やはりあなただったのかも知れない。戦士として覚醒した私は、サーキット裏での出来事が起こるまでは、あの人を覚醒させる要素を全て排除できていたのに。あのときだけは、間に合わなかった。意志に反して、体が動かなかった。あの人にだけは、普通の生活を送ってほしいと思っていたのに。謝る私に、あの人はこう言った。

「サーキット裏の倉庫での出来事は、自分がセーラー戦士だという事実を認めたに過ぎない。僕はあのとき、自分の意志で変身スティックを拾いに行ったんだ。君が負い目を感じることなんて、全然ない。むしろ感謝しているよ。」

 あの人の意志は尊重したい。けれど…。
 皮肉なものだ。



 登校途中。そんな回想や後悔の念に駆られながら、私は車窓から街を眺めていた。武蔵野の丘の上に着いたところで、若い運転手が運転する車から私は降りた。校門から入って、緩やかに蛇行する道を進む。突き当たりに、二股の分かれ道。小さなお庭と池、そしてそれを取り囲む小さな森。その中心に立っている真っ白なマリア像の前で、手を合わせる。目を開けると、隣にはクラスメイトの雪野 藤さんが立っていた。

「ごきげんよう、みちるさん。」
「ごきげんよう、藤さん。」

 藤さんはニッコリと笑って、鞄を持ち直し、分かれ道を左に進んで、校舎の方に向かって歩き始めた。私もその後に続いて、歩き始める。新緑の銀杏並木がさわさわと揺れる。頭上から落ちてくるかも知れない毛虫に注意しながら、一歩一歩、注意深く構内を進む。予感。どこに目を凝らさなくても、今日は海が荒れているのがわかる。風もかなり騒いでいるから、多分間違いない。今日も恐らく、あの街のどこかで、怪物が現れるだろう。マリア様に守られているこの学園の生徒には、関係のないことだけれど。また…“お仕事”のようだ。

 私立S.S女学院。カトリック系の女子校として長い歴史を持つ我が校は、幼稚舎から大学、大学院まで一環教育が受けられる乙女の園。時代が移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、十八年通い続ければ温室育ちの純粋培養お嬢様が箱入りで出荷されるという仕組みがいまだ残っている貴重な学園である。運動部をみれば、天王はるかさんのようなボーイッシュな女の子はたくさんいる。その人達のフリークもたくさん存在する。なぜか、私のフリークの女の子達も。けれど、そんな人達には私の心は何も反応しない。周囲が私のことをどう騒ぎ立てようとも…。そう、特に新聞部が私のことをどう書きたてようとも、私の目はあの人一人に向けられていた。

“はるか…。”

 校舎を目指しながら、私は心の中で呟いた。銀杏並木が再び揺れる。その中に、桜の木が数本。場違いとしか言いようのない場所に、葉桜として存在していた。その桜は、どこか私に似ている気がする。この世界に適合しない、悪い子羊として。この世界は概ね正しい。だとすれば、私はそれに適合しない悪い子羊なのだ。

“はるか…。”

 もう一度、心の中で呟いてみる。いつか、彼女のことを名前で呼んでみたい。天王さんじゃなくて、名前で。

“Far away.”

 名前の通り、遠くに行かないで。これ以上、私を独りにしないで。 それは私自身の意思なのか、前世の記憶…ネプチューンの意思なのか。判別がつかない。“恋”という言葉で片付けるのは簡単だけれど。
 と、思いながら道を歩いていると、叢の中からからカシャンッというカメラのシャッター音がした。大方、写真部の武嶋 蔦子さんだろうと見当はついた。立ち止まって叢の方を見る。カメラの主は観念したかのように、スッと立ち上がって、私の前に現れた。

「ごきげんよう、みちる様。」
「ごきげんよう、蔦子さん。あなた、相変わらず隠し撮りの趣味が直らないわね。」
「いやー、恐れ入ります。私のシャッター音に気づくのは、みちる様くらいなのですけどね。他の方は、撮られたことに気づきもしません。今の写真、今日一番の出来だと自負しております。現像を待つまでもなく、そう確信しています。今度開催する新聞部との合同パネル展に出展させていただいても宜しいですか?」
「結構よ。」
「ありがとうございます。最近のみちる様の表情といったら、カメラマン冥利に尽きるくらい素晴らしくて、拝顔する度にシャッターを切らせていただいています。」
「まあ。」
「さてはみちる様…。誰か好きな方がお出来になりましたね?」
「さあ、どうかしらね。ご想像にお任せするわ。」
「そうですか。深入りは禁物ですね…。というか、これは新聞部の領分ですね。」

 蔦子さんはそこまで言うと、きちんと礼をして、私の傍から離れた。また茂みの中に隠れていく。朝拝が始まるぎりぎりの時間まで、ああやって隠れて写真を撮り溜めていくつもりなのだろう。溜息混じりに、私は心の中で笑った。蔦子さんにまで、見抜かれていたなんて。

 そう、私は恋焦がれている。安らかな乙女の園で、甘いひとときを貪れる子羊の身分を捨てて。自ら荒波の中に飛び込もうとしている。冷たい風が吹き荒ぶ荒野に出て行こうとしている。あの人が、そこに行こうとしているから。時は動き出した。もう、後戻りは出来ない。それでも私は、あの人を助けたい。あの人を束縛する全てから。再び回り出した運命の歯車から、あの人だけは救い出してみせる。

 “世界の終末”“前世の記憶”なんて…。そんな大層なお膳立て、私は望んでいなかった。馬鹿馬鹿しくてやっていられない。

『馬鹿らしい。僕は日本初のジュニアレーサー、天王はるかさ。前世の記憶も、世界の終末も、僕には関係ない。誰かがやらなければならないなら、君がやればいいさ。』
 
 そうね、その通りだわ…。あなたには何も関係のないこと。私一人が、全部背負えばいいことだった。そうするつもりだった。でも…。私の中の何かが、事ある毎にその想いに抗った。私はそれを阻止できなかった。突然、ナイトクルージングの招待状を送る気になってみたり、せっかく来てくれた天王さんに挑発的な態度をとってしまったり。お稽古事を放り出して、遠いサーキットや陸上競技場に出掛ける気になってみたり。果ては、あの人を覚醒させてしまったり。
 私はただ、あなたがいるこの世界を守りたかっただけ。他の人がどうなろうと知ったことではなかった。そう、さっき挨拶してくれた藤さんだって、蔦子さんだって。“その他大勢”の一人なのだ。私はただ、あなたの手を一切汚したくなかっただけ。あなたの一番近くで、あなたの清らかな姿を見ていたかっただけ。あなたが“その人”だとわかったときは、なおさら強くそう思った。私はどんなに汚れても良かった。私の存在になんか気づいてもらえなくても良かった。気づいてもらうことが苦痛ならば、なおさらだ。ただ、あなたが平穏に暮らせればそれで良かった。それだけなのだ。“正義の味方”なんて安っぽい言葉は、私には全然あてはまらない。

 今、悟った。
 負けたのだ。前世のネプチューンの想いに。戦士としての宿命に。
 愚かなりし我が心。

 メシアよ。私があの人を求めることは、罪なのですか。
 メシアよ。私があの人を守ることは、業なのですか。
 メシアよ。私を救いたまえ。

 古ぼけた校舎が見えてきた。穢れを知らない少女達が、天使のような無垢な笑顔を見せて、優雅に朝の挨拶を交わす。私は下足箱へと向かい、通学靴を脱いだ。再び聞こえる“ごきげんよう”の挨拶。振り向いて、笑顔で返事を返す。音楽室の開いた窓から漏れてくる、合唱部の朝練の歌声。ゆっくりとした歩調で渡り廊下を行くシスターの横顔。優しい陽光。この平穏な学園生活が、もうすぐ終わることは間違いなかった。あの人と共に、6月下旬から無限学園に編入学することを決めていたから。沈黙が迫っている。あの人がいるこの世界を脅かす、沈黙が迫っている。

 あの人の手を極力血で穢させないためにも、私は鬼になる。修羅になる。
 穢れるのは、裁かれるのは、私一人だけで良い。あの人は、ただ黙って私の戦いを見ているだけで良い。そんなこと…。あの生真面目で優しい人が、させてくれそうもないことだけれど。これから先、たとえ何があっても、私はあの人を守り通してみせる。

 もう、後悔はしない。
 あの人と一緒だから。
 どこまでも、一緒だから。
 私はそれを知っているから。

 マリア様。あなたは私の心を、見抜いていて?

 Fin.
Photo
Photo:daydreamer
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※この作品は、フィクションです。作品中に登場する名称や出来事は、実在の人物や出来事と一切関係ありません。